首が腫れている、しこりのようなものがあるから考えられる病気
首には甲状腺やリンパ節以外にも、脳から全身に広がる血管や神経などが集まっています。
症状として現れやすいのは、腫れやしこりで、これらの症状を引き起こす病気としては、以下のようなものが挙げられます。
①リンパ節の腫れ
頸部リンパ節炎
首にはたくさんのリンパ節があり、口腔や咽頭からの細菌やウイルスなどの侵入に備えています。
このリンパ節が炎症を起こして腫れるのが頸部リンパ節炎です。症状としては、喉の痛み、しこりを押した時の痛みや発熱などを認めます。
治療は消炎鎮痛剤による対症療法が中心となりますが、細菌感染の場合は抗生剤治療が必要です。
悪性リンパ腫
血液細胞に由来するがんで、リンパ球ががん化して起こる病気です。
リンパ節の腫れの他、発熱、体重減少などの症状を伴い、通常はしこりを押しても痛みはありません。
治療としては、化学療法や放射線療法が行われます。
亜急性壊死性リンパ節炎
若い女性によくみられる病気です。発熱、リンパ節の腫れや痛み、血液検査にて血球減少などをみたら疑います。
治療は消炎鎮痛剤による対症療法が中心となりますが、ひどい場合にはステロイドを使用します。
転移性リンパ節
がんが首のリンパ節へと転移したもので、硬いしこりが生じます。
治療はがんの種類によって異なります。
②甲状腺の腫れ
甲状腺に結節や腫瘍といったしこりが生じることがあります。通常は無症状ですが、大きいもでは圧迫症状や甲状腺ホルモンの産生に伴い甲状腺中毒症状が出現することがあります。
鑑別のためにも、検査を受けられることをおすすめします。
甲状腺の病気について詳しくはこちら
③唾液腺の腫れ
唾液腺は耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つからなります。
耳下腺の腫れで多いのは、ムンプスウイルスによるおたふくかぜです。その他にも腫瘍による腫れなどがあり検査が必要です。