しびれ

しびれ

しびれしびれは、「針で刺されたような感じ」、「ジンジンする」、「ピリピリする」などの異常感覚が一般的な訴えですが、「痛みを感じにくい」、「触っても感覚が鈍い」。「熱さや冷たさを感じにくい」などの感覚が感じにくくなっている場合もあります。しびれの多くの原因は、神経が圧迫されたことによる神経障害か、脳梗塞などの脳血管障害です。その他に、炎症、代謝疾患、中毒などが挙げられます。しびれを引き起こす主な障害部位と原因疾患です。

障害部位 疾患
①大脳、脳幹、脳神経 脳血管障害(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)、脳腫瘍、多発硬化症、脳炎、三叉神経痛など
②脊髄、脊髄神経根 頚椎症、脊椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、後縦靭帯骨化症、脊髄梗塞、脊髄動静脈奇形、脊髄動静脈瘻、多発硬化症、脊髄炎、亜急性連合性脊髄変性症、HTLV-1関連脊髄症など
③末梢神経 単神経障害 手根管症候群、肘部管症候群、橈骨神経麻痺、腓骨神経麻痺、足根菅症候群、帯状疱疹など
多発単神経障害 血管炎、膠原病関連疾患、サルコイドーシスなど
多発神経障害 糖尿病、尿毒症、ビタミン欠乏、アルコール多飲、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、Charcot-Marie-Tooth病、アミロイドーシス、家族性アミロイドポリニューロパチー、腫瘍、腫瘍傍腫瘍性、感染症(AIDSなど)、
中毒性(重金属、農薬、有機溶剤など)、薬剤性(抗腫瘍薬など)
④その他 電解質異常、過換気症候群、下肢静止不能症候群など

この中でも主な病気についての詳細です。

① 脳卒中(頭蓋内病変)

突然の発症と、しびれが体の片側の半身全体、あるいは片側の上下肢、手口足周囲に認めます。感覚障害のみはまれですが、部位(視床)によっては起こりえます。初期には軽微な運動麻痺について自覚がないこともあります。

② 絞扼性、圧迫性の単神経障害(手根管症候群、橈骨神経麻痺)

絞扼性、圧迫性の単神経障害(手根管症候群、橈骨神経麻痺)

手根管症候群は、親指側から3指半のしびれ、感覚が鈍い、親指の筋力低下・萎縮が典型です。
橈骨神経麻痺は、手がぶら下がり(下垂手、下垂指)、感覚障害をきたします。腕枕で生じることもあり、ハネムーン症候群などと呼ばれることもあります。起床時に気づくしびれ、麻痺の原因の多くは上腕神経麻痺です。

③ 頸椎症性神経根症

首の運動に伴う頸部痛で始まり、感覚異常は手首をこえて上腕のほうまで認めます。

④ 頸椎症性脊髄症

両側性で手指の先のしびれ、手の巧緻性(こうちせい)の低下や、歩行障害、頻尿や便秘を認めます。

⑤ 多発単神経障害

2つ以上の末梢神経が侵され、左右非対称性の感覚障害を認めます。

⑥ 多発神経障害

⑥	多発神経障害

左右対称性をもって出現し、一般に上肢より下肢が先に侵され、末梢に行くほど障害が強くなり正常の境界が明瞭でありません。いわゆる手袋&靴下型(glove and stocking型)の障害す。
多発神経障害を起こす主な原因疾患です。

遺伝性疾患 ポルフィリア、Fabry病、Charcot-Marie-Tooth病
脱髄疾患 ギランバレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経障害
腫瘍 腫瘍随伴症候群、多発性骨髄腫
代謝、内分泌 糖尿病、尿毒症、甲状腺機能低下症
栄養 ビタミンB1、B6、B12欠乏
薬剤 抗腫瘍薬、イソニアジド、プロトンポンプ阻害薬、H2受容体拮抗薬
呼吸性アルカローシス 過換気
中毒 アルコール、重金属、有機溶剤

検査としては、中枢神経障害であれば頭部MRIで、末梢神経であれば神経伝導速度検査で評価が可能です。末梢神経障害であれば、その原因検索として、血液検査、レントゲン、脊髄MRI、髄液検査などが有用です。

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