一般内科
総合内科専門医として、糖尿病以外にも高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症といった生活習慣病から、発熱、風邪、頭痛、貧血、胃腸炎などの消化器疾患、気管支炎や膀胱炎などの感染症、インフルエンザ、骨粗しょう症、睡眠時無呼吸症候群、気管支喘息、肺気腫などの治療を行っております。
当院で対応が困難な場合は、速やかに高度医療機関へご紹介させていただきます。
舌下免疫療法
①スギ花粉症舌下免疫療法
(シダキュア)
〇スギ花粉症であることが血液検査で確定している方が対象となります。過去にシダキュア投与によりショックを起こした方や重症気管支喘息をお持ちの方は投与できません。
〇開始時期ですが、花粉症飛散期は開始できませんので、非飛散期の6月から12月までの間に開始します。
〇投与方法ですが、投与開始1週間はシダキュア花粉舌下錠2000JAUを1日1回1錠、投与2週目以降はシダキュア花粉舌下錠5000JAUを1日1回1錠、舌下にて1分間保持した後に飲み込みます。
その後5分間は、うがいや飲食を控えてください。
初回は1週間後、以降は4週間に1回の来院が必要になります。
治療は3年以上継続することが推奨されています。
※初回投与時のみ投与後30分間はクリニック内にいていただき副作用がないか確認致します。
②ダニ舌下免疫療法
(ミティキュア)
ミティキュアは、ダニを原因とするアレルギー性鼻炎に対するアレルゲン免疫療法薬です。畳敷きの部屋や布製のソファー、絨毯、カーペットの部屋などに行くと、鼻水や鼻づまり、咳やくしゃみが出たり、寝た後に鼻づまりによる咳で充分に睡眠が取れない場合、ダニアレルギーの可能性があります。
〇ミティキュアは、血液検査にてダニアレルギーが確定している方が対象となり、年間を通していつでも開始出来ます。
〇投与方法ですが、最初の1週間は3,300JAU錠を、2週目以降は10,000JAU錠を1日1回1錠服用します。初回は当院で服用し、2日目からは自宅で服用します。服用方法は、1日1回、ミティキュアを舌の下に置き、1分間保持した後、飲み込み、その後5分間は、うがい・飲食は控えてください。
禁煙外来
2006年4月より禁煙治療に健康保険が適用されるようになりました。施設基準を満たした施設で、患者基準を満たす患者さんに対し、12週間に5回の禁煙治療に健康保険が適用されます。禁煙治療は貼り薬や飲み薬を使って、ご自分でされるよりもずっとラクにそして確実に禁煙できる方法です(現在は貼り薬のみ使用可能)。自力で禁煙しようとした場合は色々な研究から成功率は10%といわれていますが、医療用禁煙補助薬(飲み薬や貼り薬)を使うことにより、禁煙治療の成功率は7〜8割といわれています。
①禁煙外来の保険適応
以下の条件全てに該当した場合に、年1回まで保険診療で行うことができます。
(1)ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)でニコチン依存症と判定された(10問の質問の内5問以上が該当)。
診療内容 | はい | いいえ | ||
---|---|---|---|---|
問1 | 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。 | 1点 | 0点 | |
問2 | 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。 | 1点 | 0点 | |
問3 | 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか。 | 1点 | 0点 | |
問4 | 禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか。 (イライラ、神経質、落ち着かない、集中しにくい、憂うつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加) |
1点 | 0点 | |
問5 | 問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか。 | 1点 | 0点 | |
問6 | 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。 | 1点 | 0点 | |
問7 | タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。 | 1点 | 0点 | |
問8 | タバコのために自分に精神的問題(注)が起きているとわかっていても吸うことがありましたか。 | 1点 | 0点 | |
問9 | 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。 | 1点 | 0点 | |
問10 | タバコが吸えないような仕事や付き合いを避けることが何度かありましたか。 | 1点 | 0点 |
(2)1日のタバコの喫煙本数×喫煙年数が200以上になる(35歳未満は不要)。
(3)すぐに禁煙することを希望している。
(4)禁煙治療についての説明を受け、治療を受けることを文書により同意している方。
② 保険診療での治療期間は、12週間で0、2、4、8、12週の5回の通院です。
③ 禁煙補助薬について
現在は、ニコチネルTTSという貼り薬のみ使用可能です。禁煙開始から4週間はTTS30を、次の2週間はTTS20を、最後の2週間はTTS10を毎日1枚ずつ貼ります。TTSの使用は8週間で終了し、10週をこえて使用しません。ニコチンパッチは、皮膚に貼ることでニコチンを体内に吸収し、脳のニコチン受容体を刺激し、タバコを吸うことによって得られるニコチンによる快感を模倣し、禁煙の過程で生じるイライラや不安などの離脱症状を緩和します。パッチでは「口さびしさ」を紛らわすことはできませんが、定期的に貼り替えることでニコチンの血中濃度を一定に保ち、離脱症状を抑えることができます。ニコチンパッチの副作用は、不眠、めまい、頭痛、皮膚の赤身や痒みなどが報告されています。
④治療にかかる費用
保険適用で禁煙治療を受けられる場合、3割負担の方で13,000~20,000円程度となります。
仮に1日1箱タバコを吸う方が禁煙治療に取り組まれた場合、治療中のタバコ代は24,000~36,000円程度となり節約に繋がります。
頭痛
頭痛は、「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分類されます。
普段感じる頭痛の多くは、他に原因となる病気のない一次性頭痛です。一次性頭痛には、主に片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛に分けられ、それぞれ誘発する要因や対処法が異なります。
一方、病気などが原因によって引き起こされる頭痛は二次性頭痛です。二次性頭痛には、くも膜下出血、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、高血圧脳症、副鼻腔炎、髄膜炎などが挙げられ、今まで感じたことのない痛み、突然痛みが出てどんどんひどくなる、頭痛以外にめまいや吐き気・嘔吐などが現れる、目がみえにくい、手足が動かしにくい・痺れる、発熱や発疹が出現するなど様々な症状が出現することがあり、見逃すと危険性が高い病気が多いためすぐに病院を受診する必要があります。
次に、一次性頭痛について説明させていただきます。
① 緊張型頭痛
一次性頭痛の中でも最も多いとされます。額、こめかみ、後頭部を中心に圧迫感や頭重感、締めつけられるような痛みが発生します。吐き気や嘔吐は発生することはほとんどありません。主な原因は、頭、首、肩などの筋肉の緊張によって血行が悪くなること、ストレス、眼精疲労、長時間のうつむき姿勢などが引き金になることもあります。
予防として、長時間同じ姿勢をとらない、肩や首の血流改善(首や肩の筋肉の緊張をほぐすストレッチなど)、枕の高さを調整するなどが挙げられます。
治療は、軽度から中等度であれば、ほとんどの場合は、一般的な鎮痛薬(ロキソニンやアセトアミノフェンなど)で改善します。慢性の緊張型頭痛の場合は、アミトリプチリンが予防に役立つ可能性があります。
②片頭痛
片頭痛は、頭の片側または両側が脈を打つようにズキズキと痛みます。片頭痛が起こる前には、目の前がチカチカする、目が回るなどの前兆が現れることがあり、20~40歳代の女性に多くみられます。他に、吐き気や嘔吐を伴ったり、光や音に敏感になるなどの症状があります。4~72時間持続し、入浴したり体を動かしたりすると悪化することがあります。原因ははっきり分かっていませんが、何らかの刺激が三叉神経の刺激につながり、それから血管の拡張や炎症が発生していくと考えられており、ストレス、アルコール摂取、寝不足、月経、天候の変化、人ごみや騒音などが引き金になることもあります。
片頭痛が起こった際は、冷たいタオルなどを痛む部分に当てる(温めるのは逆効果です)、静かな暗い場所で休む、痛み早期にカフェインを適量摂取する(連日は止めましょう)などが有効なことがあります。
治療は、まずは一般的な鎮痛薬(ロキソニンやアセトアミノフェンなど)を用いますが、無効の場合はトリプタン系製剤を使用します。月2回以上片頭痛発作がある場合や生活に支障をきたす頭痛が月に3回以上ある場合は、予防治療が勧められており、塩酸ロメリジン、抗てんかん薬であるバルプロ酸、抗うつ薬であるアミトリプチリンなどを使用します。最近では、注射薬のCGRP受容体拮抗薬(エムガルディ、アジョビ、アイモビーグ)による予防治療が行われています。CGRPは主に三叉神経節に発現する神経ペプチドで、片頭痛患者様では血中CGRP濃度が上昇していると言われています。CGRP受容体拮抗薬は、このCGRPの活性を阻害することで、片頭痛発作の発症を抑制する効果が期待されています。CGRP受容体拮抗薬は新しいタイプの薬で処方できる施設は限られていますが、当院は総合内科専門医の資格を持っており処方可能です。
CGRP受容体拮抗薬とは
片頭痛は、脳内にCGRPという物質が増え、脳の血管に作用して起こるといわれています。
エムガルディという薬を一例にご説明させていただくと、エムガルティは、CGRPの働きを抑え、片頭痛発作が起こるのを抑えると考えられています。国内第Ⅱ相試験(CGAN試験)では、エムガルディ投与群では1ヵ月当たりの片頭痛発症日数(6ヵ月平均)が3.6日減少し、プラセボ群(0.6日減少)と比較して有意に減少、その効果は6ヵ月持続していました。副作用発現頻度はエムガルディ120 mg投与群で29.6%(34/115例)、プラセボ群で7.4%(17/230例)でした。エムガルディ投与群の主な副作用は、注射部位紅斑14.8%、注射部位腫脹10.4%、注射部位そう痒感8.7%、注射部位疼痛6.1%であり、ほとんどが注射部位反応でした。
③群発頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛
群発頭痛は、左右どちらかの目の周囲からこめかみの辺りにかけての激しい痛みと、痛む方の目の充血、涙、鼻水、鼻づまりなどといった症状が現れます。痛み発作は、1日2~8回繰り返され、数日~3ヵ月ほどの間続きます(群発期)。そして、頭痛が起こらない時期を経て、また群発期がやってくる(反復性群発頭痛)や、群発期が年中続く場合もあります(慢性群発頭痛)。三叉神経・自律神経性頭痛は、頭の片側に頭痛が現れ、それと同じ側の目や鼻、耳などに異常が現れます。20~40歳の男性に多い傾向があります。痛みが起こるメカニズムは、目の奥の動脈拡張が原因でうっ血や炎症が起こり頭痛を引き起こす、三叉神経の活動が過剰に高まることによって発生すると考えられています。睡眠中に起こることが多く、激痛で目が覚めることもあります。原因として、アルコール、喫煙、気圧の変化、血管を拡張させる薬の服用などが挙げられます。